インプラントとは、失ってしまった歯の部分の顎骨にネジの様な人工の歯根を入れ、人工の歯根の上にセラミック製の歯を被せ、歯を失う前と同じような機能を回復するための治療方法のことです。
インプラントでは現在、チタンが主流です。チタンには骨と結合するという、とてもうってつけな特徴を持つためです。
インプラントなら、健康な歯を削らずに、天然の歯とほとんど同じような感覚で噛むことができます。
抜けた歯を補うのに周りの歯を削りたくない、入れ歯のバネが気になる、などという方に最適な治療法であるといえるかもしれません。
インプラントの種類
これまでにインプラントはさまざまな改良が加えられ、世界で数百種類、日本では認可されているもので約20種類のものが使用されています。
メーカーについて
インプラントメーカーも数多くのメーカーがあり、代表的なメーカーでは、I.T.I、ブローネマルク、アストラ、アンキロス、 カルシテックHAコーティングと言ったものがあります。なかでも、I.T.I.のインプラントは性能のバランスが良く、 また、形状が日本人の顎に適していると言われており、国内で人気のインプラントメーカーです。
インプラント形状について
インプラントは、より壊れにくく、より噛みやすくを重視するなかで、様々な形状のものが開発されてきました。
なかでも、現在のインプラント治療でよく使われているものをご紹介します。
現在のインプラントの形状の主流となっています。
インプラント体にネジが切られた形状をしています。
インプラントの直径が先端にいくほど細くなるルートタイプと太さがそのままのストレートタイプがあります。
埋め込む穴が小さくてすみ、 噛む力も効率よく骨に伝えることができます。
現在のインプラントの形状の主流となっています。
円筒形で上部と下部が同じかたちをしており、インプラント体はネジのついていない円筒型で、手術はインプラントホールを作り槌で打ち込むだけで簡単ですが、初期固定が弱く2回法に適しています。
インプラント治療の流れ
診断と治療計画の提示
失われた歯の数、インプラントを埋め込む骨の硬さ、大きさ、位置により、治療法には様々な選択肢があります。カウンセリングをはじめレントゲン撮影などによる充分な診断の後、インプラント治療計画を立てます。
インプラント治療前の処置
必要に応じて、歯周病治療など、残存歯の治療を行います。また、骨造成なども行う場合があります。
インプラントの埋込手術
インプラントを埋める部分の歯肉を開いて顎の骨にインプラント体(フィクスチャー)を埋め込み、開いた歯肉を閉じて縫い合わせます。処置の時間は約2時間前後です。
局所麻酔のため痛みはほとんどありません。
インプラントと骨の結合安定期間
一次手術後、インプラントが骨の中でしっかりと接合されるまでの安定期間を設けます(オッセオインテグレーション)。
安定期間はインプラントを埋めた部位や骨の質などで個人差がありますが、約6~24週間です。
この間は仮の義歯を使用することができますので、日常生活に支障はありません。
安定期間後の二次処置
インプラントが完全に顎の骨と結合されたら、人工の歯を取り付ける準備をします。
歯肉を小さく切開し、埋まっているインプラントの頭部を露出させ、人工の歯を接続するための アバットメントという土台を取り付けます。この状態で、歯ぐきが治るまで6週間程度おきます。
この段階で外科処置はすべて終りです。
人工歯の型取り、装着
歯ぐきが治った時点で口の中の型を取り、歯の型を取り、歯並びや形状、色をチェックしながら、インプラントに接続される冠せもの(セラミック)を作ります。
冠せもの(セラミック)が完成したら、いよいよ装着。
インプラント治療の完了です。
治療後のメインテナンス
治療が終った後は、まず一週間後に定期検査をします。
その後はだいたい1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後に定期検査をします。
※定期検査の期間は口腔内の状況などで異なります。